柴犬のこゆき。飲酒運転で犠牲になった飼い主を待ち続ける姿が感動的

福岡県粕屋町で２０１１年２月
飲酒運転の車にはねられて
亡くなった山本寛大さん（１６）の
愛犬「こゆき」が出演する
啓発用ＣＭが話題になっています。

寛大さんとの散歩道を
１匹で通るシーンなどで、
大事な人の命を奪う
飲酒運転の根絶を訴えています。

撲滅のため活動を続ける
寛大さんの母・美也子さんに
共感した人たちが発案、協力し
完成しました。




こゆきは柴犬（しばいぬ）の雌で８歳。
寛大さんが小学５年生の秋に
家族の仲間入りをしました。

寛大さんはこゆきが小さい頃は
自転車のかごに入れて出歩き、
大きくなってからは散歩を欠かしませんでした。

寛大さんは高校１年生の時、
同級生とともに飲酒運転の男の車に
はねられ亡くなりました。

事故後、こゆきは遺影の前で
涙を流す美也子さんに寄り添い、
仏壇の前の座布団が寝床になったそうです。









映像は、飲酒運転根絶を訴える
効果的な手段として、
美也子さんの活動に協力する知人が提案したもの。

つてをたどって大手自動車メーカーのＣＭなどを
手がける映像クリエーターの服部正典さん（３５）に依頼し
実現したものです。

服部さんは１月、仏壇の前で寝そべるこゆきを見て、
一気にイメージが湧いたそうです。

「寛大さんを今でも待っているように感じた」


５月末、散歩のコースだった
寛大さんの母校の中学校などで約９時間かけて
撮影が行われました。

ＣＭは３０秒間。
寛大さんを探すようにこゆきが１匹で
思い出の散歩コースを寂しそうにたどる姿が続き、
夕日の中でたたずむ最後のシーンに
寛大さんの同級生の愛知望美さん（２０）が
「やめよう飲酒運転」とナレーションを入れました。
制作費は美也子さんの協力者からの
寄付金でまかなっています。

警察庁によると、
飲酒運転による交通事故は厳罰化や
取り締まり強化などにより、
０３年の１万６３７６件から
１３年は４３３５件に減少しました。
死者数も７８１人から２３８人に減っています。

しかし、この５年間は２００人台で横ばい状態が続いており、
今年も５月末までに全国で１０２人が死亡するなど、
飲酒運転根絶にはほど遠い状況です。

美也子さんは
「撮影中のこゆきに『寛大のために頑張って』と言葉をかけると、
いい演技をしてくれた。大切な人を失った悲しみは誰にでもある。
その悲しみを想像できるようになれば、飲酒運転もなくなる」と話していました。

別のバージョンの３本も制作する予定で
テレビコマーシャルでも放映してもらえるよう、
スポンサーを募っているそうです。

そのCM動画はこちら
【飲酒運転撲滅2014版　NPO法人はぁとスペース】

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